353log

主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

パンズ・ラビリンス(2006)

デルトロ祭り2本目。「シェイプ・オブ・ウォーター」が公開されたときにやたらと名前を見た作品です。「パンズ〜みたいだった」と言う人もいれば、「パンズ〜のトラウマがあるから観るのためらう」という声もあり、そんなにアレな映画なのかい、パンズなんちゃらというのは、という気持ちで遅ればせながら初鑑賞。

いやはや。シェイプ・オブ・ウォーター」はこれの100分の1くらいソフトな映画ですから安心して観てください。

あらすじ

おとぎ話が好きな少女、オフェリア。戦争で亡くした父の代わりに母が再婚相手として選んだのは、森の中に基地を構える軍の大尉。移り住んだ森でオフェリアは妖精と出会い、彼女がじつは地底王国の姫だと告げられる。本当に姫であることを証明するため、3つの試練を課されたオフェリアであったが──

みたいなお話です。一応。まあなんていうか、これを普通のファンタジーと思って映画館へ観に行った人がいるとすれば、同情します。

目をそらしたくなるファンタジー

いきなり出てきます。どう考えてもそいつは妖精ではなくただの節足動物です。不快な羽音を立てながら画面上をあっちへこっちへ。劇場で観てたらこれ無理だ…。もう少し話が進むと今度は拳ほどもあるダンゴムシ。ノースリーブの腕に、顔に、這ってくる…。劇場で観てたらこれ無理だ…。ヒィッ、今その巨大なカエルさんが体内から吐き出したレーズン蒸しパンみたいな謎の物体はなんなんだい…。

パンといえば「パンの迷宮」の番人パンさん。もうちょっと安心できるビジュアルにしてくれんかいの…? ご馳走食べちゃいけないコーナーの番人ペイルマンさん、なんだその目は!!! コスプレしやすそうでいいぞ!!! マンドラゴラは珍しくかわいい!!!(ちなみにパンもペイルマンも、「中の人」は「シェイプ〜」の半魚人と同じダグ・ジョーンズさんとのことです。ほんとに欠かせない人なんですね)

かといって現実も直視に耐えない

新しいお父さんであるところのヴィダル大尉は超サディスト。寡黙なだけかな? 優しいところもあるのかな?とまだ掴めないでいるところに、ウサギのくだりの顔面破壊ですよ。うわ〜〜〜〜ですよ。怪しい奴を捕まえては拷問。はじめはハンマー、お次にペンチ、最後は…??? うひょう。自分の口を縫うシーン、意外とあれは大丈夫でした(傷口がやたら清潔だからかもしれない)。

「シェイプ〜」のストリックランドさんも相当マッドな人でしたけど、こちらはそれ以上かもしれないです。そういえば、屋外の迷路でお父さんから追いかけられるって「シャイニング」ですね(笑)

現実とおとぎ話が交わるラスト。これは確かに「シェイプ〜」のそれと同系統。考え方によっては「シェイプ〜」よりバッドエンドですが、嫌いじゃないです。あと、最後にヴィダル大尉を銃殺するところで、頬を撃ち抜いて右眼が充血しながら倒れていくやつ、いや〜、悪趣味です(褒めてる)。

ジブリ…か…?

となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」といった宮崎駿作品から大いにインスピレーションを得たらしい今作なんですけど、そのイメージで観ると確実に「うそつき!!!!」って泣きたくなるので(わたし)、未見の方はそんな情報捨てて「デルトロ監督の悪趣味全開ダーク・ファンタジー」として観たほうがまだいくぶんかマシだと思います。

しいて言えばオフェリア役の子、すごい可愛いです。それこそ宮崎駿監督の好きそうなロリっ子です。この子が可愛いからまだ見れる、っていう感じはあります。「シェイプ〜」のサリー・ホーキンスっぽいマリベル・ベルドゥさん演じるメルセデスもよいキャラです。

観終わったあとしばらく呆然とすること必至ですが、残る映画はよい映画。ぜひ好奇心からご覧ください。

(2018年47本目)