よい評判とともにタイトルは耳にしていたものの、公開は終わっちゃったしソフト化もまだされてない?っぽいし、なんて思っていたらちょうど近場のミニシアターが上映してくれていたので行ってきました。すごかったー。観終わったら頭が痛かった…。
ジェシカ・チャスティン演じる主人公スローンは、アメリカにおける「公的な根回し屋」であるところの「ロビイスト」です。大手ロビイスト会社に務める最高にキレ者なスローンですが、銃規制法絡みの案件をきっかけに他社から引き抜かれ、以前の勤務先を敵に回して闘い始めることになります。
この映画とにかくジェシカ・チャスティンがすごくて、劇中のチームメンバーたちと同じく観客もこのスローンというロビイストに圧倒されてしまいます。確かにやり方は常識を逸しているけれど、常に「奥の手=見えざる手」を持っていて、この人は負けないんだ!という気持ちを抱かされてしまいます。
とはいえ、映画ですし次第に雲行きも怪しくなってくるわけです。見る側も「彼女の顔にも陰りが見えてきたし、さすがにここらで一回突き落とされて、心を入れ替えて、また立ち上がるのかな」なんていうベタベタな展開を想像します。
どっこい。
法廷ミステリーの名作「情婦(1957)」と同じく、この作品もネタバレが一気に楽しみを削ぐと思うので、予備知識なくウィザード級ロビイスト「ミス・スローン」の手中で踊らされるのがおすすめです。スローン目線で観ていたはずなのに、終わる頃には彼女の正面で唖然としている自分がいるかも。
(2018年28本目 劇場鑑賞)