パリで一緒に(1964)
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2006/04/21
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お話は、ホールデン演じる脚本家の男とヘプバーン演じるタイピストが、半ば共作のように映画の脚本を作っていくというもの。なかなか仕事に手をつけない男は、タイピストがやって来たため重い腰を上げて物語を考え始めます。白紙の原稿用紙を部屋に敷き詰めながら構想を練っていくところから、掴みはOK。すでにオープニングクレジットは終わった後ですが、男が原稿用紙上の「オープニングクレジット」を読み上げると画面には再びオープニングクレジット。そう、彼らの作る「劇中劇」がお話の半分を占めます。それだけで、わたし的には「好き!」です(笑)
小ネタが多い
とにかく小ネタの多い作品。映画にまつわる小ネタ好きの人にはたまらないでしょう。まず、メタ的な小ネタ。つまり「ティファニーで朝食を」だったり「マイ・フェア・レディ」だったり(あとから「マイ・フェア・レディ」を代名詞的に使う脚本はありますが、リアルタイムに使うのはレアケースですよね)、スタジオのシーンで出てくる「ボタンを押すとやたら動く」部屋は「麗しのサブリナ」のボガートの部屋のイメージでしょうし。
他にも(わたしが判るのは一部ですが)映画関係の小ネタがたくさん。「ディゾルブ」の実例から、後半では「映倫対策」としてのディゾルブだったりとか(笑)、モブ扱いされてるトニー・カーティスからの繋がりと思われる「完璧な人間などいない(by「お熱いのがお好き」)」の台詞が唐突に出てきたりとか、「ミュージカルじゃない」と言いながらアステアの曲が流れてたりとか(でかでかとクレジットされててびっくりしました)、もっと唐突にマレーネ・ディートリッヒが出てきたりとか(「情婦」を観たばかりだったので一発で判った)などなど、詳しい人が観ればもっと隅々まで楽しめるはず。
逆に言うと、小ネタで構成されているところが、合わない人には合わないのかもしれませんね。当時の映画を観ていないと分からない小ネタも多いですし、予備知識なくいきなり飛び込んでくるとあまり楽しめない映画、なのかもしれません。
劇中劇だからこそ?
「雨に唄えば」を思わせるスタジオ内のシーン(大好物です)で見られる、髪をおろして娼婦風の妖艶なビジュアルになるヘプバーン。これ貴重じゃないですか?? 作中でも「映倫だいじょーぶ?」と心配されているこのシーンですが、本来のヘプバーンのキャラ設定ならば発生しないシーンのように思うので、「劇中劇だからこそ」振り切った役ができたのだろうなあと想像しています。
もちろん、劇中劇じゃないほうでもヘプバーンは可愛いです。もう数年すると「いつも2人で」とか「暗くなるまで待って」のようなキツめのビジュアルになってしまうのですけども、今作はまだまだ普通に可愛い。そして相変わらずタバコも似合ってしまう。
リメイクだった
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 2003/07/25
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(2018年25本目)