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主に映画の感想文を書いています/NY旅ブログも連載中

ジンジャーとフレッド(1985)

ジンジャーとフレッド [DVD]

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かつてフレッド・アステアジンジャー・ロジャースの「ものまね芸」でちょっとした人気を得ていたふたりの男女「ジンジャー」と「フレッド」が、30年ぶりに再会してテレビのバラエティに出るお話。細野晴臣氏の著書「映画を聴きましょう」で紹介されており興味を持ったので鑑賞。フェデリーニ監督の作品というのをまだ他に観たことがないのですが、かなり独特な空気感がありますね。

テレビの現場が主なシチュエーションとなる映画ながら、華やかさはほぼほぼ皆無。わざわざ訪れたローマはやたら汚い街だし(ちょっと調べただけでもこれは本当らしい)、ロクな人間いないし粗末に扱われるし、30年ぶりに会った「フレッド」からは「あんた老けたな!」と爆笑されるし、もう帰りたさ満点の「ジンジャー」。観てる側も切なくなってきます。しかし終盤、「トップ・ハット(1935)」のメドレーをぎこちなく踊るふたりがとてもよいのです。チープなB級映画と思って観ていたら何故か目頭が熱くなる、不思議な映画です。

本番中に「ジンジャー」の衣装の羽が口に入ってしまうというシーンがあるのですが、これはきっと「トップ・ハット」の有名な撮影アクシデントをパロってるんですよね(笑) よくよく考えたら1985年ってまだ本人たちもご存命。観たんでしょうか。今回「トップ・ハット」の曲をあらためて聴いて、やはりアーヴィング・バーリンは偉大な作曲家だなあと思いました。

余談。昨年公開された水谷豊監督の「TAP THE LAST SHOW」という作品があり、そのなかで「アステア太郎」「八王子のジンジャー」と名乗る老人男女が登場します。普通にアステアとロジャースにかけたものだろうと思っていましたが、どちらかというと本家ではなく「ジンジャーとフレッド」オマージュなのかもしれません。光を一瞬取り戻す感じのストーリーも、ちょっと通じるものがありますし。

TAP -THE LAST SHOW- [DVD]

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(2018年20本目)