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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

ゴッドファーザー PARTIII(1990)

前作「ゴッドファーザー PARTII(1974)」から16年の時を経て製作・公開された続編。監督は引き続きフランシス・フォード・コッポラ、主演はアル・パチーノ 3日かけて一気に観ました。約9時間…。2018年10月現在、3部作すべてAmazon Primeの会員特典で観れます。

概要

1979年、ニューヨーク。かつてのヴィトーを思わせる老年となったマイケルアル・パチーノが、再び家族に囲まれながら人生をやり直そうとする物語。

なんとも切ない最終章

廃墟と化したネバダのマイケル邸が映し出されるオープニング。これは……と思っていると、意外や名誉ある勲章を受け取っているマイケル。そして子供たちの姿。あれれ、なんかわりと平和な感じで始まりましたねという感じ。お約束として今作もパーティー始まりです。

前作ではすっかり親族との付き合いが切れてしまったように見えたマイケルでしたが、世代交代の時期になりまた親族が増えています。息子のアンソニーは父の仕事こそ頑なに継ごうとしないものの、関係は良好なまま。しかもなんとオペラ歌手として大成。娘のメアリーは嬉しいことにマイケルのもとで働いてくれています。もしやと思ったらこのメアリー、前作からそのまま16年ぶん成長したソフィア・コッポラ!(PART1ではコニーの“息子”の乳児役ですが、これで3作とも出ていることになります)

老いたマイケルはすっかり角が取れ、時間のおかげで元妻のケイ(他の人と再婚済)とも人間関係は修復されつつある様子。妹コニーも前作以降ずっと近くにいるようです。そんなコニーが紹介してきたのは、亡き兄ソニーの息子ヴィンセント。彼はソニーによく似て血気盛ん。すぐ殺したがるし殺しちゃうタイプ。せっかく平和な空気なのに、こいつにかき乱されそうな感じがプンプンします。加えてどうやら愛娘メアリーとよろしくやっているっぽく、これはよくない、よくないよ。

そんなヴィンセントもマイケルの教育が効いたのか徐々にトラボルタ風のオールバックをキメて渋かっこいい系マフィアへ。演じているアンディ・ガルシア、知ってる顔だなと思ったら「オーシャンズ」シリーズのベネディクト役だったので、「オーシャンズ13(2007)」ではアル・パチーノと共演してるんですね〜。

ファンサービス的な要素が多い印象の本作。パーティーで集合写真を撮るときにファミリーではないヴィンセントを入れてみたり(PART1でもマイケルはケイを写真に入れていた)、サン・ジェナーロ祭の賑わいのなか粛清を(今度は白昼堂々と)してみたり、ここにきてやたら元々妻アポロニアを思い出してみたり、幼いアンソニーの描いた絵が出てきたり、もちろんシチリアの教会の門は出てくるし、人形劇にも出くわすし、「これは」っていうシーンが多いです。

停滞しているかのように見えた物語がいきなり大きく動き出す感じも3作共通。今回はなんといっても突然のヘリ大襲撃にびっくりです。北野映画を連想しちゃいました。「アウトレイジ」シリーズも3部作で、最後の「アウトレイジ 最終章(2017)」はなかなか切ないお話だったので、味わい似てるかもなあと思いました。同じような大襲撃シーンもありましたし。

恒例となった「愛のテーマ」登場回数&時間チェック。今回の初登場は中盤、アンソニーが「古いシチリアの歌」として弾き語るというイレギュラーなかたちで登場します。劇伴としてちゃんと?流れるのは約2時間が経過した頃の1回とエンドロール、計3回です。3作通じて、コルレオーネ家の誰かがシチリアを訪れた際に初めて流れます。

ただし今回主役となる音楽は「カヴァレリア・ルスティカーナ」。これはオペラ自体がシチリアの物語だということでおあつらえといった感じですが、それにしたってズルいですね。あの間奏曲流されて感動的にならないわけないですもん。

舞台にてオペラが進行する裏でなんらかのミッションが遂行されようとしている…という展開はかなりよくある系だと思いますけど、どのへんが元祖なのでしょうね。近年の有名どころだと「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)」とか、日本映画でも例えば直近の「累-かさね-(2018)」とかもそうでしたし。ありきたりと思わなくもないです。いやまあ、とにかく「カヴァレリア〜」がズルいんですって。選曲的に。悪いとは言わないけど! 負けた気がする!

この最後の、マイケルと見せかけてよりによってメアリーが死んでしまうのかっていうのはショッキングでした。またダイアン・キートン=ケイの悲痛な絶叫もうまくて。全体的にいい方向に傾き過ぎていたのでそんなわけないというのは分かっていても、マイケルの叫びと、その後の佗しすぎる死に様、切ないです。救いがあっただけに、より切ないんですよね。PART2の状況のまま孤独死してたらここまで切なくなかったと思います。そういう意味では、まだ良かったと言えるのかもしれないけれど。

少なくとも公開当時は評価がいいとは言えなかったらしい本作ですが、個人的にはとてもよかったです。大河ドラマの終わりというのはいいものです。“あの”マイケルにしっかり感情移入して9時間を終えることができ、一気に3作観た甲斐がありました。

(2018年218本目)