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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

サマータイムマシン・ブルース(2005)

劇団ヨーロッパ企画の同名舞台(2001年初演)を原作とした本広克行監督作品。わたしがクーラー浸りの平日休みを満喫していたところ「今日なんか暇してそうだから観て」と友人に薦められ鑑賞。暇してそうとはなんだ暇してそうとは。なおAmazonプライム会員の方は現在無料で観れますよ〜。

あらすじ

2005年、夏。SF研究会の面々は困っていた。暑い日が続くというのにクーラーのリモコンをうっかり壊してしまったのだ。そんなとき、見知らぬ男が部室に現れ、挙動不審に去っていった。そこに残されていたのは見るからにタイムマシンのような乗り物。それがタイムマシンだと確信した彼らは、「壊れる前のリモコンを取ってくる」名目で「昨日」へと旅立つことにした。

この夏いちばん感情移入できる物語

クーラーのリモコンを手に入れるべくタイムトラベルするお話ですよ! こんなに感情移入できる話もないでしょう!

いやはや、おもしろかったです。「バック・トゥ・ザ・昨日!」というコピーが付けられたタイムトラベルものということでまず最初の「時計台」からあ〜はいはい〜って気分になるんですけど、実際のところは単なる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パロディなんていうひねりのないものでは全然なくて。じつに舞台的な限られたシチュエーションと会話劇、映画的な編集の妙、ま〜〜ゆっても「リモコン取りに行くだけ」っていうスケールの小ささが生み出す可笑しさ、107分とは思えないほど濃密なおもしろさでした。

冒頭15分くらいを長々と使ったアバンタイトル、ここは正直よくわからないまま15分が過ぎます。そしてタイトル後。タイムマシンが登場して時系列の移動ができるようになると、冒頭の15分で何がどうなっていたかというのが少しずつ読めてきます。最初のほうですぐわかるものもあれば最後の最後でようやくわかるものもありますが、「あれって…?」と抱いていた疑問は全て回収していってくれるのでとても気持ちいい!

この「冒頭よくわかんないけど後から全て回収してくれる」という作りは、まさに今話題の「カメラを止めるな!」とも通じるものがございますね。チープさもね。これくらいのチープめな日本製コメディ映画、大好きです。邦画ならではの魅力に溢れてます。邦画、ほっとするなあ。

超豪華キャストの先取り(未来人参上)

いま見るとおぞましく豪華キャスト!タイプの作品です。瑛太上野樹里ムロツヨシ佐々木蔵之介、エンドロールまでわかんなかった真木よう子…! 瑛太は映画初主演だし、ムロツヨシは映画デビュー作だし、みんな若いけど特に佐々木蔵之介が若い 。

与座嘉秋さんはわたし存じ上げなかったですけどヴィダルサスーンを筆頭に見せ場(?)が多く、個人的にはファーストタイムトラベル時の「オレこんな声してんのかよォ〜〜〜〜?!?!?!」っていうリアクションが、これタイムトラベルものとしてすごい斬新じゃありません?(笑) 自分が自分に接近してしまった際のファーストインパクトって確かにそこだよな!と。名作認定した瞬間です(ニッチ)。

あ、そうそう、エンドロールがトミフェブことTommy february6でめっちゃ懐かしかったんですけど、ここはストレートに椎名林檎「リモートコントローラー」でもよかったと思うんですよねとかいう戯言。

あたしのリモコンは何処!

というわけで、いかにも舞台原作らしい会話劇とドタバタ感、かつそこそこ緻密なタイムパラドックス要素をふんだんに盛り込んだジャンキーかつ上質な映画に仕上がっておりますので、ぜひ夏のうちに、できればクーラーの効いた部屋で他人事のようにご鑑賞くださいませ。おすすめです。わたしの暇を見抜いた友人に感謝。

ちなみに、超タイムリーなことにヨーロッパ企画さんの舞台版が「今」やってるんですよ! 調べたらやっててびっくりしましたよ! しかも後日譚バージョンも同時上演! 唯一まだ買える横浜公演の日に先約があり、くうーーーーーーという感じです! 行きたかったなーーーー!!!

(2018年172本目)