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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

8人の女たち(2002)

1961年発表の同名戯曲を映画化したもの。カトリーヌ・ドヌーヴなど、フランスの女優たち8人による密室劇。日本においても何度か舞台化されている。

あらすじ

クリスマス・イブ、雪で閉ざされた大邸宅。団欒も束の間、一家の主人が死体で発見される。居合わせたのは8人の女たち。主人の妻、妻の妹、主人の妹、義理の母、娘2人、使用人2人。「この中に犯人がいるわ!」。疑念が飛び交うなか、女たちそれぞれの秘密が明らかになっていく。

癖になる、奇妙でコケティッシュな映画

「ミッション・インポッシブル(1996)」に登場したエマニュエル・べアールを見よう! カトリーヌ・ドヌーヴも出てるじゃ〜ん、くらいの感じで鑑賞したのですが、これがなかなかおもしろい、いやそんなにおもしろくもないのかもしれないけれど印象には残る作品でした。好き!の部類に入ります。

全体的に「なにを見せられているんだ」っていう奇妙な空気感で、一応お話としてはミステリーなんですけど、実際のところ「ミステリー風の何か」ぐらいの感じですかね。なんせ歌い出すし。変な振り付けで踊るし。インド映画に近いのでは感。音楽はすごくよいです。メインテーマもいいし、8人それぞれに割り当てられたミュージカルナンバーも印象的。一番好きなのはオーギュスティーヌの語りみたいな曲かな。あと娼婦おばちゃんの手袋ダンスは多分リタ・ヘイワース風よね…。

劇中で唯一の男性である「主人」は序盤で殺されたっきり放置、回想でも後ろ姿しか登場しません。おそらく舞台で上演する場合はシルエットとかで演出するのでしょう。彼の死をきっかけに8人の女たちからいろんな秘密が漏れ出してくるっていう、「女のひとって、すごい…」っていう、男そっちのけの超ガールズトーク映画です。最後のカーテンコールがゾッとしてすごい好き。

美しさにもゾッとする

8人も女のひとがいるんですからそりゃ期待しますよね。目の保養。

f:id:threefivethree:20180731201015p:plain:w250:rightまず、想定外の収穫。ヴィルジニー・ルドワイヤンさんが可愛い! 演じるシュゾン(写真右)という役柄は登場人物のなかで2番目に若い女の子。劇中で最初に出てくるのが彼女なんですけど、もう出てきた瞬間から超可愛い。ナタリー・ポートマンっぽい顔立ち(といってもナタリーより歳上)に、1950年代のオードリー・ヘプバーンっぽい全体のルックス、とにかく可愛い!!ありがとうございます!! こんなに可愛い女優さんをなぜ今まで知らなかったのかと思うも、まあ多分この役がピンポイントで強烈に当たり役だったんですかね。

そして本来の目的、エマニュエル・べアール。いかにも〜なゴスロリ一歩手前のメイド姿で十分に「ふむ、なかなか」って感じなんですが、終盤で5億点発生します。わーお、です。素晴らしいな〜〜〜これは素晴らしいな〜〜〜!!! それから、非モテ属性の地味眼鏡おばさん(イザベル・ユペール)が「何となく美しくなりたくて」とかいう名セリフとともに変貌するのもだいぶわーおです。反則だろ!

名優カトリーヌ・ドヌーヴダニエル・ダリューは「ロシュフォールの恋人たち(1967)」と同じく親子役。カトリーヌは2年前公開の「ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)」でだいぶ地味な役をやっていたのでもうそういう枯れた感じなのかと思っていたら、まだまだこういうパツキーン!な役もできたんですね、さすが! 終盤のレズシーンはなかなかインパクト大です。

ちなみに「キャロル(2015)」などと同じく1950年代が舞台なので、同性愛は「治すべき病気」な時代。コメディな味付けのなか飛んでくる「ビョーキよ!」という言葉にハッとさせられます。また、1950年代といえば前述のシュゾンしかり、一周回って古臭くないファッションも魅力。この時代のファッションはほんと、好きです。

というわけで、「アメリ(2001)」ほどオシャレには徹してないけど明らかにアメリカ映画とは違う独特の密室ガールズトーク・ミステリー、おもしろかったです。近々公開の「オーシャンズ8」って、もしかしたらこれオマージュ的な感じで関係してたりするのかな…。

(2018年169本目)