七人の侍(1954/4Kデジタルリマスター版)
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: Blu-ray
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あらすじ
戦国時代。野武士の襲来を察知したとある小さな村の村人たちは、米で侍を雇い、村を守ってもらおうと考える。侍探しのため宿場町へ赴いた数名の村人は、道中出会った頼れる浪人の勘兵衛(志村喬)を説得。村を守るには7人は必要だと官兵衛は算段し、残り6名の侍探しを開始する。縁あって集まった5人の侍と勘兵衛は、事態が急を要することから6人で妥協して村へ向かおうとするが、しつこく尾けてくる妙ちきりんな菊千代という男(三船敏郎)に根負けし、なんだかんだ7人で村へ入る。しかし、侍たちの到着を告げても村は静まり返っており、人っ子ひとり出てこなかった。
やはりスクリーンで観ておかねば
本作は初見ではなく、去年だったか一度DVDで鑑賞しております。3時間半にもわたる長尺映画ということで相当気合いを入れて臨んだものの、気合いなんて必要ないくらい引き込まれて一気に観終わってしまい、「明日また観たい!」なんて思った記憶があります。今回のこのリマスター版は2016年の「午前十時の映画祭7」用に作られたもので、そんなのあったのか〜〜それで観てみたかったな〜〜と悔しい思いをした記憶もまたあります。
というところに、ラッキーな再上映です。先日の「椿三十郎(1962/4Kデジタルリマスター版)」が非常に良かったので、3時間半の映画館こもりに若干の不安を覚えつつも行ってまいりました。ちなみに一番の動機は「実際の映画館で『休憩』を体験してみたかった」です(笑)
完全初見、かつシネマスコープの大画面、かつ劇場の一体感が得られやすいコメディ要素山盛り、などなど強みの多かった「椿三十郎」ほどの衝撃は受けていませんが、やはり「台詞の鮮明さ」はなかなかすごいなと思いました。ソフト鑑賞時はあまりにも聞き取りづらくて日本語字幕をつけていた本作。今回のレストア作業により、集中してれば問題なく聞き取れるくらいになっていました(ただ冒頭の野武士だけは無理だった)。
内容は、三十郎シリーズを観た直後なのでなおのことビターさが際立ちます。開始2時間くらいで休憩に入るまで敵襲は一切なくそのほかの描写に徹しているからこそ、後半戦闘シーンになってからの無慈悲な展開がとてもつらい。ここで「つらい台詞トップ3」を発表します。
「苦しい時に重宝すると言ったな。これからが苦しい時なのだが」
「これは俺だ」
「もう野武士はいない!」
つらい。他にも、台詞が聞こえやすいおかげで思わずホロリとしてしまうシーンも多々ありました。序盤に登場する宿屋の人足たちが急に優しさをみせてくれるところとか。志村さんの「この米、おろそかには食わんぞ」もかっこいいよなあ。
映像で印象に残っているのはやはり墨汁入りの大雨戦闘シーンですね。味方の亡骸を引き上げることもできないくらい、一旦放置して戦い続けなければならないくらい混乱した戦場、エグいです。このへんはやはりスクリーンの大画面で観ると没入感がすごい。「負け戦」を肌で感じてしまいます。
初見時の新鮮な感想をしっかり書いておけばよかったなと後悔しつつ、今回は二度目なのであっさり目に。念願のスクリーン鑑賞、そして念願の「休憩」を体験できてよかったです。ただし休憩の「5分」は思った以上に短いです(笑)
(2018年152本目 劇場鑑賞)