- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2009/12/18
- メディア: Blu-ray
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超あらすじ
二人の百姓と、身分を隠して逃亡中の侍大将と姫。偶然出会ったデコボコチームが敵国突破に挑む戦国エンターテインメント。
スター・ウォーズEp.4のモデルとなった作品
らしいです。まじか。ということで鑑賞。開始早々、悪態つきながら荒野をふらつく二人の百姓。Ep.4のオープニングシーンとまったく同じ!!と早速感動、というより笑ってしまいました。すげえ、人間だけどほんとにR2-D2とC-3POだこれ。しかもほどなくして「お前なんか知らない!」つって喧嘩別れし、案の定それぞれ捕まり、捕らえられた先で感動の再会を果たすという、ほんっとにそのまんまですよ(笑)
三船敏郎演じる真壁六郎太(珍しく本名!)は、三船敏郎のキャラが強すぎてイメージこそ合わないけど基本的には多分オビワンのポジション。ていうかまあ、こればっかりは「三船敏郎」ですね。
上原美佐演じる雪姫はまごうことなきレイア姫! 彼女のキャラ描写が非常によくてですね。気性の荒い男勝りな性格ゆえに道中「唖(おし)=喋れない障害」のふりをさせられるも、たびたび我慢ならなくなって六郎太にのみ「ねー喋れないのキッツいんだけど!!」って愚痴っちゃうところとか、よかったです。気が強いもんだから出発直前に「用があったら今のうちに言ってよね!着くまで喋んないわよ!」とか言ってるんですけどね。喋ってるう。
なぜかホットパンツ状態な六郎太のほうが肌の露出は多いんですが、一箇所だけ雪姫の御御足(ふともも…)がえらく艶かしく撮られてるシーンがありまして、エッロ、て思いました。ほかにも冒頭でいきなり落ち武者が殺されるシーンとか、ものすごい人数が一気に階段を転げ落ちるシーンとか、妖しくも魅力的な火祭りのシーンとか、ところどころでゾッとするほど生々しかったり恐ろしかったり美しかったりする場面がありそれぞれに印象的です。階段のシーンは死人が出てもおかしくない…。
個人的に膝打ちポイントだったのは、逃走中なのがバレて指名手配されちゃったくだりで、特徴は「馬二頭に男三人、女一人」とされていたところ、本格的に捜査が始まる寸前でまったく偶然にも「馬を手放し、女がもう一人加わっていた」おかげで難を逃れる、というおもしろ展開ですね。うますぎる。ある種のマインドコントロールで関所を突破するシーンも、そういえばスター・ウォーズにあったわ。真の姿になった姫と六郎太から百姓たちが褒賞金をもらうラストシーンも、同じく。
スター・ウォーズとの比較についてはこんな分かりやすい動画もありました。黒澤明のもたらした影響って本当にすごいのだなあ。
クロサワ映画は純粋に楽しい
どれ観ても思うんですけど、クロサワ映画(少なくとも三船敏郎とタッグ組んでる時代。それ以外は未見)って全然難しくなくて、むしろ超絶エンターテインメントですね。台詞も編集も無駄がなくて、面白いシーンが次から次へ畳み掛けてくるような、ついつい前のめりで「おもしれー!」って観ちゃうような、そういうところがあります。もっといろいろ観てみなければ。
ちなみに近年リメイクされたものがあるようですが、主題歌がThe THREE(布袋寅泰×KREVA×亀田誠治)による「裏切り御免」っていう曲で、この曲の存在自体は知ってたんですけど、まさかその主題歌だったとは、そして「裏切り御免」はその裏切り御免だったのかっていう今更の驚き。そう、「裏切り御免」もとても良いシーンです。
もしもまたいつか本格的にリメイクする(という無謀な試みをする)んだったら、二人の百姓はアンガールズあたりに演じてもらいたい。あれぐらいどうしようもない感じじゃないと!
(2018年131本目)