- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2009/12/18
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あらすじ
三船敏郎演じる流れ者が、通りかかった町のボスたちを全滅させて、ついでにちょっとだけ人助けをして、「あばよ」と去っていく話。
…あえて全く同じにしてみましたが。「荒野の用心棒」、ほんっとに「用心棒」そのまんまでした(笑) びっくりした。イーストウッドの表情ひとつとっても、眩しそうに何かを見上げるような表情はありゃ完全に三船敏郎のそれなんですね。Wikipediaによれば「クロサワは自分の映画人生の原点だ」とイーストウッドが言っているらしいですがそれも納得。
「荒野の用心棒」もしっかりおもしろかったのでどっちがどうとか言うつもりはないですけど、これだけ同じ話なのに2時間弱ずっと新鮮に楽しめた!っていうのは、やはり「用心棒」が噂に違わずめちゃくちゃおもしろいっていうことですね。
音楽もおもしろい
細野晴臣さんは本作にかなり思い入れがあるようで、著書「映画を聴きましょう」のなかでもおそらく最も登場回数の多い作品です。
映画を聴きましょう【Amazon.jp限定オリジナルポストカード付】
- 作者: 細野晴臣,堀道広
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あと、終盤のほうですごく「ピンクパンサーのテーマ」っぽいハイハット開閉の劇伴が流れるんですけど、時代的に「ピンクパンサー」のちょい前なので本当にマンシーニがオマージュした可能性もあるかも…とか思ってます。
シネスコだった
恥ずかしながらまだ数作しか黒澤作品観てないので、シネスコ作品だったことに驚きました。調べてみると黒澤監督はシネスコが好きだったみたいですね。白黒のシネスコ映画って初めて観たかもしれないです。ハイビジョンネイティブ世代(?)としては断然スタンダードサイズよりもシネスコなどワイドスクリーンのほうが単純に好きなので、本作は当然四角い画面を想像していただけに嬉しい誤算というやつでした。
音は、「七人の侍(1954)」の聞き取りづらさが記憶に新しいため迷わず日本語字幕で観始めたのですが、思いのほかクリアに聞き取れてむしろ戸惑う耳。60年代だものね! なお、デイリー映画鑑賞として節操なく観ていたつもりがじつは1961年の作品という、直近で話題にしていた「ドリーム」「ヘアスプレー」「シェイプ・オブ・ウォーター」などと共通の時代(いずれも1961〜62年が舞台)で繋がっておりました。あの頃日本はクロサワの時代だったのか…。
三船敏郎かわいい
基本的に黒澤映画を観たあとは「三船敏郎!!!」って感じの三船無双になってしまうんですけど本作も三船サイコーでした。いちいちかっこいいし、いちいちかわいい。屋敷の玄関に座り込んで「丑寅に会いたい!」と連呼するシーンの腐った感じ(誤解)とか、包丁一本だけ持って「刺身にしてやる!」と敵陣へ向かっていく無邪気?な姿とか、マジ三船敏郎っす。刺身て。かわいい。
三船敏郎ってもしかして現在の日本で最も評価されていない役者なのでは*1、と思ってしまうので、みなさんどうかぜひ三船を見て誇らしい気持ちになりましょう。わたしももっといろいろ観ていこうと計画中です。
(2018年114本目)