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主に映画の感想文を書いています

映画感想「ハンナ・アーレント」「キャスティング・ディレクター」|チュプキ7月後半鑑賞メモ

時間がないぜシリーズその2、こちらは2022年7月後半のシネマ・チュプキ鑑賞メモ。『ハンナ・アーレント(2012)』と『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性(2012)』を観ました。1本目『ハンナ・アーレント』。先月から続いていた「あ…

映画「ソー:ラブ&サンダー(2022)」雑な感想|斧の嫉妬とヤギがツボすぎてだめ

映画を観る暇も感想を書く暇もまるでない今日この頃、とても気持ち悪い感じです! とりあえず書こう、書くだけ書いておこうまずは『ソー:ラブ&サンダー』。『モガディシュ 脱出までの14日間(2021)』の後にじつはハシゴしてまして、命が軽ェ!と思った記…

映画「モガディシュ 脱出までの14日間(2021)」感想|到底追いつけない韓国映画の志とクオリティが悔しい

リュ・スンワン監督作品『モガディシュ 脱出までの14日間』を観てきました。凄かったです。息呑みっぱなしでした。結論から言うと、韓国はこういう映画に莫大なお金をかけることができ、とてつもないクオリティの作品を仕上げることができ、そしてそれを大ヒ…

映画「わたしは最悪。(2021)」感想|これはロマコメではない

一週間ほど前ですが、ヨアキム・トリアー監督の映画『わたしは最悪。』を観てきました。第94回アカデミー賞では濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー(2021)』と並んで国際長編映画賞にノミネート(最近観たなかだと『FLEE フリー』も)していた作品です。…

映画感想「山歌」「チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ」「アイヌモシㇼ」|涼みがてらのチュプキ7月前半鑑賞メモ

だるい。ねむい。クーラーでよく冷えた布団と枕の間に腕を突っ込みながらうだうだしていた日曜日。こんなことではいけないと思い直し、用もなくチュプキへ。結局3本観て帰ってきました。ざっくりと、超ざっくりとメモ書き。1本目は笹谷遼平監督の『山歌(202…

2022年6月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

今月は結構新作を観ているのと、劇場鑑賞も何気に15本と多めです。本当にもう新作の絶えない日々と言いますか、観るもの観るもの一定水準以上に良くて、だけど端からどんどん忘れていって、もっと一作にじっくり向き合いたい気もしてしまいますが仕方ないの…

岩波ホール最後の上映作品「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡(2019)」を観た

2022年7月29日をもって閉館となる神保町の老舗ミニシアター「岩波ホール」に行ってきました。じつは今まで行ったことがなく(神保町へ行くときはいつも岩波ホール直結のA6出口から出ていたので完全に素通りし続けていたことになります)最初が最後になってし…

まっぷるさんで細田守監督作品6本の紹介記事を書きました

「まっぷるトラベルガイド」さんにて、今週&来週の金曜ロードショー『時をかける少女』『竜とそばかすの姫』放送に合わせた記事を書かせていただきました。全6作の作品紹介と簡単な聖地紹介です。いや待って『竜とそばかすの姫』わたし結構けちょんけちょん…

映画「三姉妹(2020)」感想|近年稀に見る極上の修羅場

イ・スンウォン監督による映画『三姉妹』を新宿武蔵野館にて観てきました。そこまで大きな鑑賞動機もなかったのですが、まあなんか「いい映画」なんだろうな〜って。『チャンシルさんには福が多いね』みたいなやつが観れたらいいな〜くらいの感じで行って、…

尾道探訪記【1日目④ 大林映画の世界に迷い込む 〜千光寺公園 展望台から望む尾道水道〜】

しばし歩道橋と戯れたのち、次なる目的地へ向かう。なおプランは特に定めず、GoogleMap上でピンの近いところをセレクトしているだけである。ピンを頼りに向かう次の目的地は、『ふたり(1991)』で石田ひかり演じる北尾実加がひょいとすり抜ける電柱の隙間、…

映画「FLEE フリー(2021)」感想|「マイスモールランド」と併せて必見な、難民を知るアニメーション・ドキュメンタリー

ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督による映画『FLEE フリー』を観てきました。アミン・ナワビという人物の半生を、旧知の仲である監督がインタビューしていく。ざっくり言えばそういう映画なのですが、語られる内容が非常にセンシティブであるため、本作では…

映画「ベイビー・ブローカー(2022)」感想|豪華キャストすぎて頭に入ってこない……

こちら是枝監督初となる韓国製作・全編韓国語の作品で、何よりキャストがとにかく豪華! 日仏合作の前作『真実(2019)』におけるカトリーヌ・ドヌーヴ×ジュリエット・ビノシュ×イーサン・ホークも凄かったですけど、個人的な興味レベルとしては本作のインパ…

映画「まっぱだか(2021)」感想|2回観ると見えてくる、「めんどくさっ」の先にあるもの。

安楽涼監督と片山享監督が神戸・元町映画館とタッグを組んで完成させた映画『まっぱだか』を、シネマ・チュプキで観ました。こちら、チュプキで舞台挨拶の撮影&レポートを担当することが決まっていたのと、音声ガイド制作の舞台裏動画を作ったりなどもして…

映画「PLAN 75(2022)」感想|75歳以上はお国のために死ね、という遠くない未来の話。

早川千絵監督による映画『PLAN 75』を観てきました。「75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本」を舞台にした、わたしの好きな「地味SF」です。原型となっているのは、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years J…

映画「ひめゆり(2006)」感想|13年をかけ、ひめゆり学徒隊の生存者22名に向き合ったドキュメンタリー

本作で扱われているのは、太平洋戦争末期・沖縄戦で多くの犠牲を出した「ひめゆり学徒隊」。公開以来16年間、毎年6月23日「沖縄慰霊の日」に合わせて上映し続けてきたという作品ですが、わたしは今回が初見となります。130分という長尺でありながら、本作は…

映画「フタリノセカイ(2021)」感想|“多様性”はそんなに割り切れるもんじゃない

こちら、ポスタービジュアルがよくできているなと思いました。LGBTQをテーマにした作品であるということだけ知っていたのですが、その先入観でこのポスターを見たとき、女性同士のラブストーリーなのかなと想像したんです。つまり背中を向けている右側の人物…

映画感想「ベアテの贈りもの」「宋家の三姉妹」|ありがとう岩波ホール特集上映inチュプキvol.1

東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」では現在「ありがとう、岩波ホール」特集上映と題して、7/29(金)に閉館となる岩波ホールで過去にかかっていた作品からチュプキ的に思い出深い何本かを上映しています。その第一弾となる『ベア…

尾道探訪記【1日目③ 大林映画の世界に迷い込む 〜オープンセット尾道の筆頭、あの歩道橋!〜】

散策早々に迷い込んでしまった山側から下ってきて、ひとまず線路沿いへと戻る。近場かつ早めにご対面しておきたいところというと「あの歩道橋」だ。『転校生(1982)』で入れ替わったばかりの一夫が勢いよく自転車で駆け上がっていく歩道橋、『ふたり(1991…

2022年5月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

すっかり!振り返り忘れてました! 2022年5月に観た映画やいろんなことを振り返ります。5月、映画は少なめでした。新作ドキュメンタリー『オードリー・ヘプバーン』の尋常ならざる客入りとか、チュプキのウクライナ難民支援上映で観た『黒い雨』がよかったな…

映画「マイスモールランド(2022)」感想|在留資格を失った在日クルド人家族の、フィクションだけど本当の話。

映画『マイスモールランド』を観てきました。いやあ……、観れてよかった。評判に違わず素晴らしい作品でした……。難民申請の不認定により在留資格がいきなり失効となってしまった在日クルド人の家族を描くフィクションの劇映画。監督はこれが商業デビュー作と…

映画「私だけ聴こえる(2022)」感想|“ろう者でも聴者でもない、コーダという種族”を少しでも知る

ドキュメンタリー映画『私だけ聴こえる』を、シアター・イメージフォーラムにて観てきました。「耳の聴こえない親を持つ、耳の聴こえる子どもたち=CODA」を題材にした映画『コーダ あいのうた(2021)』が今年のアカデミー賞作品賞に輝いたのは記憶に新しい…

映画「犬王(2022)」感想|大規模コンサートの興奮が見事に表現された、でも室町時代のお話。

湯浅政明監督の最新作『犬王』を観てきました。舞台は室町時代。平家の呪いで視力を失った琵琶法師の青年・友魚(声:森山未來)と、疎まれて育った異形の能楽師・犬王(声:アヴちゃんfrom女王蜂)、二人の若きアーティストが京の都を熱狂させていく物語で…

尾道探訪記【1日目② 大林映画の世界に迷い込む 〜転校生の階段、時かけのタイル小路〜】

ゆっくりじっくり尾道探訪記、2本目です。憧れの尾道をひたすら歩き回り、大林宣彦監督作品の世界に迷い込んでゆきます。作品ごとに巡っているわけでも作品ごとにまとめているわけでもないのでごちゃ混ぜですが、エリア的には比較的近いあたりでまとめてあり…

映画「誰かの花(2021)」感想|読み解きたくなる要素満載の、スリリングな団地群像劇。

築年数高めの「団地」が本作の主な舞台。ある日「ベランダから落ちた植木鉢」が、住人たちの人生を狂わせていきます。たったそれだけと言えばそれだけの物語。しかし「たったそれだけのこと」がどこにどう転んでいくのか全く読めない緊張感。ヒリついた、固…

映画「トップガン マーヴェリック(2022)」感想|“この世界では死なせない”っていう話に弱い

やたら評判が良かったので斜に構えて見始めたのですが、終わってみればいやはや、満足度、高っ。手に汗握って、感動して、めちゃくちゃストレートに面白い……。今年の「ザ・映画」は『ウエスト・サイド・ストーリー』が不動の一位かと思いきや、ここに来て頭…

尾道探訪記【1日目① はじめての尾道に降り立つ】

大林宣彦監督の映画世界に惹き込まれて2年。広島県・尾道へようやく行くことができました。大林監督の故郷であり、「尾道三部作」と呼ばれる『転校生(1982)』『時をかける少女(1983)』『さびしんぼう(1985)』などを筆頭に、数多くの作品でその姿を見る…

まっぷるさんで「おすすめ韓国ドラマ10選」の記事を書きました

先月から記事を書かせていただいている「まっぷるトラベルガイド」さんにて、今月は「おすすめ韓国ドラマ10選! ドラマで韓国をもっと知りたい!」という記事を担当しました。第4次韓流ブームから入った超にわかなため恐縮きわまりないのですが、『愛の不時…

映画「王の願い ハングルの始まり(2019)」感想|ハングル創製のifを描く、歴史改変物語。

ハングルの創製には諸説あり、世宗が一人で作った可能性もあるとされているそうです。当時の朝鮮には自国語を書き表す文字がなく、上流層のみが特権的に中国の漢字を使用していました。権力を誇示するための文字だったのです。しかし世宗が作ろうとしたハン…

唐突に「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」を観ている、からの脱線あれこれ

所謂ニチアサとは無縁だったわたしですが、いきなり『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観始めました。ことの起こりはまたしてもアトロクことTBSラジオ「アフター6ジャンクション」。宇多丸さんが今年は久しぶりに戦隊ものを観ているとたまに話していたので、チ…

1話15分の韓国ドラマ「ポンダンポンダン 王様の恋」が存外おもしろい

『イカゲーム』とかよりもっともっと短い韓国ドラマはないのかい、と探していて見つけた作品『ポンダンポンダン 王様の恋』。なんと1話15分、朝ドラ級の尺感です。しかも全10話! 朝ドラ2週分の尺感です。まあ150分って言っちゃうといきなり長い感出ちゃうん…