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主に映画の感想文を書いています

映画

大林宣彦監督作品「野ゆき山ゆき海べゆき(1986)」雑感

配信のある大林作品を全て観尽くしてしまい(※1)どうしたものかと思っていたところに、ちょうど池袋の新文芸坐さんにて大林監督追悼特集の第一弾として『野ゆき山ゆき海べゆき』が上映されていたので行ってきました(※2)。2020年6月現在、配信では視聴でき…

90日ぶりの映画館〜新文芸坐にて大林宣彦追悼特集/2度目の「さびしんぼう」雑感

新型コロナウイルスの影響で映画館へ行けなくなって約3ヶ月。この週末、じつに90日ぶりの再会を果たしてきました。と言っても初めましてのところへ行ったのですが。 記念すべき映画館通い再開の場に選んだのは、池袋にある名画座「新文芸坐」さん。理由は単…

動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品21本をリストアップ&簡単に紹介します

4月に亡くなった映画作家、大林宣彦監督。その訃報に触れるまで大林作品をひとつも観たことのなかったわたしですが、軽い気持ちで手を出してみたところ自分でも驚くほど魅了され、気付けば動画配信サービスで取り扱いのある作品を手当たり次第に全て鑑賞して…

大林宣彦監督作品「その日のまえに(2008)」雑感

配信されている大林作品を全て観る(ことに最終的になった)マラソン、ついにゴールです。なぜかHuluでしか配信されていない『その日のまえに』が最後の一本。珍しくウェットな内容と相まって、なかなか感動的なフィニッシュとなりました。ではでは、しゅっ…

原節子さん生誕100年の日に観た「東京物語(1953)」雑感

お恥ずかしい話ですが、「小津」を観たことがありませんでした。観たいな、観なきゃな、とずっと前から思っていたのに手をつけられなかったのは、やはりあまりにビッグネームだからでしょうか。なにかと“きっかけ”を求めがちなわたしに、昨日6月17日、朗報が…

Netflixドキュメンタリー「13th -憲法修正第13条-(2016)」雑感

Netflixで配信されているドキュメンタリー『13th -憲法修正第13条-』を観ました。2016年公開の作品ですが、Black Lives Matter運動の活発化により再び注目されているようです。 アメリカはその人口に対して受刑者数が異常に多い、という統計から始まる本作。…

大林宣彦監督作品「少年ケニヤ('84)」「彼のオートバイ、彼女の島('86)」雑感

大林作品集中履修(配信作品に限る)、いよいよラストスパートです。今回は1984年公開のアニメーション作品『少年ケニヤ』と、1986年公開の『彼のオートバイ、彼女の島』を観ました。どちらもPrimeVideo内のチャンネル「シネマコレクション by KADOKAWA」に…

「ウォッチメン」原作コミック('86)、映画版('09)、HBOドラマ版('19)を一気に摂取した記録

本稿は『ウォッチメン』と名のついた各種作品を初めて摂取する方向け、より細かく言えばドラマ版を観たいんだけど予習は必要? と悩んでいる方向けのガイド記事、のようなものを目指しています。書いているのは、まさに一週間前くらいまでその状態だった人で…

ロバート・ゼメキス監督作品「マーウェン(2018)」雑感

PrimeVideoの会員特典に、公開当時気になりつつ観れなかった『マーウェン』が入っていたので鑑賞しました。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985〜)』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』のロバート・ゼメキス。高まる期待! なの…

大林宣彦監督作品「ふりむけば愛('78)」「金田一耕助の冒険('79)」雑感

大林作品集中履修(配信で観れるもの限定)もそろそろラストスパート。今回はちょっと観るのをためらいがちな70年代の2作品をまとめて鑑賞。百恵友和コンビの『ふりむけば愛』と、シリーズもの?パロディ?よくわからない『金田一耕助の冒険』です。後者に関…

映画「ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)」雑感

スパイク・リーの初期作品『ドゥ・ザ・ライト・シング』を観ました。現在コロナと並行して世界的に大きな動きとなっているBlack Lives Matterの運動。昨日('20/06/02)放送の「アフター6ジャンクション」冒頭でライムスター宇多丸さんが、この件に関して本…

2020年5月に観た映画を振り返る

5月の鑑賞映画を振り返ります。4月分はこちら。 新作 なし 旧作 英国王のスピーチ(2010) ねらわれた学園(1981) 天国にいちばん近い島(1984) 異人たちとの夏(1988) マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011) 廃市(1983) 青春デンデケデケデケ(…

大林宣彦監督作品「花筐/HANAGATAMI(2017)」原作も読んでの雑感

大林作品集中履修、ついに劇場公開済の最新作まで辿り着きました。2017年作品『花筐/HANAGATAMI』。出演は窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子、満島真之介、長塚圭史、山崎紘菜、門脇麦、村田雄浩、柄本時生ほか、といった相変わらずの豪華キャストでございます。…

大林宣彦監督作品「野のなななのか(2014)」熱烈雑感とキャラ語り

大林作品集中履修、ひとまずのゴールがだいぶ近付いてきました。今回は2014年公開の『野のなななのか』を鑑賞。『青春デンデケデケデケ(1992)』に次いで読みづらいタイトル「なななのか」とは、七×七日=四十九日のことだそうです。 この作品とても良くて…

大林宣彦監督作品「姉妹坂(1985)」雑感

大林作品集中履修、1985年公開の『姉妹坂』を観ました。ひとつ前に観たのが『この空の花 長岡花火物語(2012)』だったので次は公開順に『野のなななのか(2014)』のつもりが、170分?!そんなに時間ない! という就寝時間的事情により100分の本作を挟んだ…

大林宣彦監督作品「この空の花 長岡花火物語(2012)」雑感

そう遠からず公開日が再設定されるであろう『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を万全の状態で受け止めるため、引き続き大林作品履修ノンストップでいきます。今回はついに2010年代の作品に突入! 『この空の花 長岡花火物語』鑑賞しました。これはやばい。 あ…

大林宣彦監督作品「女ざかり(1994)」雑感

大林作品履修期間、00年代に突入したところですがまたちょっと戻って、1994年公開の『女ざかり』を観ました。こちら、なんと(?)主演は吉永小百合さん! 吉永さんと大林監督の食べ合わせはどんな感じなのでしょうか。 あらすじ 新聞社に勤める弓子(吉永小…

大林宣彦監督作品「転校生-さよなら あなた-(2007)」雑感

ついにオリジナル未見のままリメイクを観てしまいました。まだまだ続くよ大林作品履修期間。今回は2007年公開『転校生-さよなら あなた-』の雑感です。蓮佛美沙子さんの映画初主演作! あらすじ 幼少期を過ごした長野へ尾道から越してきた斉藤一夫(森田直幸…

「ヘイル、シーザー!(2016)」雑感

コーエン兄弟監督の映画『ヘイル、シーザー!』を観ました。出演はジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018)』のオールデン・エアエンライク、ほか。 あらすじ 1950年代…

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015)」雑感

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観ました。冷戦下の「赤狩り」で弾圧されながらも、正体を隠して『ローマの休日(1953)』などを書いた脚本家ダルトン・トランボの物語です。 監督は『スキャンダル(2019)』が記憶に新しいジェイ・ローチ、主演…

映画「ブリッジ・オブ・スパイ(2015)」東西ベルリンにおける主人公らの動きを整理/ついでに「プロジェクト・ブルーブック」の話

トム・ハンクス主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を観ました。東西冷戦下のアメリカとソ連の間で実際におこなわれた捕虜スパイの交換を描いたノンフィクション作品です。 最近は池上彰さんの著書「そうだったのか!」シリー…

大林宣彦監督作品「SADA〜戯作・阿部定の生涯(1998)」雑感

どうやらこれで10本目のようです。大林作品履修期間、今回は1998年公開の『SADA〜戯作・阿部定の生涯』を観ました。「阿部定事件」を題材にした物語で、黒木瞳が阿部定を演じています。ところで阿部サダヲって阿部定由来の芸名なんですね、知らなかった。 概…

映画「マザーレス・ブルックリン」と、NY都市計画にまつわる書籍いくつか

今年のはじめに鑑賞し、これは暫定年間ベストだ!なんて言っていた映画『マザーレス・ブルックリン』。念願の映像ソフトがリリースされましたので購入、再鑑賞しました。この記事ではそのあらためての感想と、本作をきっかけに何冊か読んだニューヨーク都市…

大林宣彦監督作品「青春デンデケデケデケ(1992)」雑感

大林監督作品履修期間、今回は1992年公開の『青春デンデケデケデケ』を鑑賞。デンデケ-デケデケとはベンチャーズ・サウンドでお馴染みの、あの奏法です。1960年代、バンド活動に高校三年間を費やした少年たちの物語。ギター抱えて、一緒にベンチャーズ練習し…

大林宣彦監督作品「廃市(1983)」雑感

すっかり大林作品に魅了されてしまった今日この頃、さらにその思いを強める一本と出会えました。1983年公開『廃市』。「はいし」と読みます。『転校生(1982)』で映画デビューを飾った小林聡美さんが引き続きの主演。一見とても地味そうな映画ですが、果た…

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011)」雑感

イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーの伝記映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を観ました。主演はメリル・ストリープ、監督は同じくメリル・ストリープ主演の『マンマ・ミーア!(2008)』を代表作とするフィリダ・ロイドさん、なんです…

大林宣彦監督作品「異人たちとの夏(1988)」雑感

引き続き大林作品履修期間として、1988年公開『異人たちとの夏』を観ました。出演は風間杜夫、片岡鶴太郎、秋吉久美子、名取裕子ほか。これはお盆ごろに観るべき映画だったかもしれません。 あらすじ 売れっ子シナリオライターの主人公(風間杜夫)は景気付…

大林宣彦監督作品「天国にいちばん近い島(1984)」雑感

大林作品履修期間、主要配信サイトで観れるものを概ね年代順に観ています(気分によって前後あり)。今回は1984年の『天国にいちばん近い島』を鑑賞。『時をかける少女(1983)』と同じく原田知世と高柳良一の共演が見れます。 あらすじ 父を亡くしたばかり…

大林宣彦監督作品「ねらわれた学園(1981)」雑感

大林宣彦作品履修期間ということで、今回は1981年公開の『ねらわれた学園』を観ました。同年公開『セーラー服と機関銃』よりもちょっとだけ前の薬師丸ひろ子が主演です。 あらすじ 学年で成績トップの由香(薬師丸ひろ子)は、明るく騒がしい同級生たちに囲…

吃音症経験者から見た、映画「英国王のスピーチ」

映画『英国王のスピーチ』を観ました。まだ観てなかったの?と思われても仕方ないくらいの有名タイトルですが、観ていなかったというよりも「観る勇気が出なかった」映画です。そんなお話をします。 あらすじ 英国王ジョージ6世(コリン・ファース)には幼い…